オーストラリアタマムシと言うおバカで哀れな昆虫をご存知でしょうか?
この昆虫はビール瓶と交尾をするらしい。
この昆虫は明るいチョコレート色で背中全体に小さなへこみがあり、脚は真っ黒、頭が甲殻の下から突き出している。身体は大きくて細長く、丸っこいテントウムシよりセミに似ている。オーストラリアタマムシの雄は、同種の雌の特定の特徴を好むように生まれついている。つまり、大きくて茶色でぴかぴかしているほどよいと思うのだ。かれらが交尾するビール瓶は、どんな雌もかなわないほど大きくて茶色でぴかぴかしている。
思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方 P203
「オーストラリアにはバカな虫がいるもんだ。。。」
なんて思うかもしれませんが我々人間にも似たような現象が起こっています。
この現象を進化心理学では超正常刺激と言います。
生き残りに関係すると思われるもののなかに、あまりにも完璧で、祖先には夢にも見られないほどのものがあったとしたら────それは超正常刺激になる。
思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方 P203-P204
「祖先には夢にも見られないほどのもの‥‥‥‥」
たしかに、成人向けの漫画とかにはありえない体をしてる女性が登場しますよね。
(漫画に出てくるありえない体。タマムシにとってはビール瓶。)
Photoshopで加工されたアイドルも、もはや似たようなものかもしれません。。
ネット環境さえあれば、ワンクリックで合法的にムフフな動画が無料で視聴できるし。。
(しかも最近のそういう系の女優さんってめっちゃ美人だし。。)
これらは、すべて超正常刺激と言えそうです。
こうなってくると、病気や妊娠のリスク、物理的、金銭的な条件などを考慮してわざわざ本物の女性とチョメチョメしようなんて思わなくなる男が出てきても不思議ではありません。
ますます少子化が進みそうです。
僕は成人向けの漫画には興味がありませんが、超正常刺激の極みのように感じます。
食べ物についての超正常刺激
超正常刺激は性的なものだけに起こる現象ではありません。
また人間がまだ文明を持たなかったころ、高カロリーの食物は珍しかった。そのため、人の祖先は動物性脂肪に対する強烈な欲求を発達させ、運よく見つけたら食べられるだけ食べるようになった。現代人がフライドポテトやチーズバーガーを食べだすと止まらないのはそのせいだ。
思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方 P203
我々人類はつい数千年前までは飢餓と隣り合わせだったので
「高カロリーの食物がある。でも、食べ過ぎると体に悪いし。。」
なんて思うより先にショートカットして食べてしまいます。
体に良いとか悪いとかを冷静に考えていたら、別の動物に食料を取られるかもしれません。(そもそも原始時代は体に良いとか悪いとかの概念はなかったかもしれませんが。。)
メスを見つけた時の思考も同じことが言えると思います。
メスを見つけたら健康であるかどうかの判断をじっくり考えてる暇はなかったでしょう。
なので、ボンキュボンなちゃんねーを見たらショートカットしてしまいます。
これらのショートカットは原始時代には役に立っていた機能ですが現代では使えなくなっています。
超正常刺激対策
現代はこれらのショートカットに刺激をしてくるもので溢れています。
超正常刺激に対して我々は無力なのでしょうか?
昆虫にはできませんが人間にはできることがあります。
それは、論理的思考。
脳科学的に論理的思考をするということは、進化の過程で新しくできた脳の部位を使うということだそうです。
進化の過程で新しくできた脳を使うと原始的な脳の働きを抑えることができます。
原始的な欲求に襲われたとき、論理的思考をすると原始的な脳の活動が抑えられ、冷静な判断が下せるようになるそうです。
とは言うものの毎回、原始的な脳の欲求に勝つことができるわけではないですが、この原理を知ってるのと知らないのとでは行動と選択が変わってくるはずです。
今あなたが欲してるものは本当に心から欲してるものでしょうか?
もしかすると、原始的な脳が欲してるものかもしれません。