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脳はどこまでコントロールできるか?と言うか騙される理由

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【脳はどこまでコントロールできるか?】は2014年発売の中野信子さんの著書です。
中野信子さんは東大卒の脳科学者、医学博士です。

【脳はどこまでコントロールできるか?】の内容

1章から4章まであります。
その前後に【はじめに】と【おわりに】があります。

中野信子さんは本書で、偉大な発見、発明の裏には妄想が絡んでいると主張してます。

この本を読んだみなさんが、自分自身の妄想をより巧みに使いこなし、それを具現化していける「妄想の達人」になっていかれることを願っています。

脳はどこまでコントロールできるか?P8

【脳はどこまでコントロールできるか?】と銘打っておきながら【妄想】をはじめにで取り上げてます。
ちょっと面食らった感じですが、脳みそが好きなので買いました。

1章 成功者は妄想する〜夢を見つづける効用〜

この章は、成功者は妄想が上手。だから成功したいなら妄想力を磨こう!
ってな感じの主張です。

ちょっと強引な気がしますが、マクドナルドを創業したレイ・クロックの成功例を元に話が進んでいきます。

マクドナルドコーポレーションの創業者としての顔を持つ彼の、少年時代のあだ名は「夢見るダニー」。どんなあだ名で呼ばれるほど、レイは、空想ばかりしている少年でした。レイには、妄想をうまく使いこなす素質が、子供の頃から備わっていたのです。

脳はどこまでコントロールできるか?P16

具体的に妄想に触れているのはこのくらい。
この章の後半では
自分を大事に扱うことで成功につながる(←自分を大事にする妄想をしろってこと)ことや、割れ窓理論やミラーニューロンについて解説されてます。

イメージを変えると変化が起こります。

若い人に対して、高齢者に関する固定観念(耳が遠い、筋肉が衰えるので動作の機敏性が落ちていく、など)をいくつか聞かせると、歩く速度が遅くなるのです。自分にはまったくあてはまらない資質なのに、いつか自分も高齢者になるのだという可能性がうっすらと想起され、自分では意識してないのに、自然にその妄想が「歩く」という行動に影響を与えてしまうのです。

脳はどこまでコントロールできるか?P41

年老いた妄想をすると行動が老けてしまいます。
いつまでも若々しくフレッシュな気持ち、動作を心がけたいです。

よく、自己啓発書などで
「成功したければ成功者のように振る舞え」
「お金持ちになりたかったら、お金持ちが行く店、ものを所有しろ」
みたいな主張がありますが、脳科学的に見ても理にかなってるようですね。

2章 成功する人は脳に騙されない!〜錯覚のメカニズム〜

脳は意外と騙されてます。
脳に我々が騙されてると言ったほうが正確かもしれません。

脳は自分の見たいものを見てるようです。
当然、錯覚が生まれます。
我々は物事をありのままの姿で見てはいないようです。。(なんか仏教の話っぽくなってきた!?)

普段、気をつけたい錯覚。

ありがちな典型例が、「あんなに一生懸命勉強したのに、テストで良い点がとれなかった」「必死でやったのに、試験に落ちた」というもの。
〜中略〜
これは知識の錯覚なのです。何度も何度も教科書やノートを読み返すと、見慣れた感覚が生じますね。すると、脳がそれを真の理解と取り違えて、自分は理解している、と錯覚してしまうのです。

脳はどこまでコントロールできるか?P76ー77

これは理解したのではなく、ただ見慣れて理解したつもりになっただけのことです。
本当に理解するためには問題を解く、誰かに教える、説明することが重要とのこと。

そのほかにも

  • 他人の行動に騙される人間
  • 直感的な脳に騙される人間

などなどいくつかの例を元になぜ錯覚が生まれるのかを解説されてます。

3章 成功する人が使っている心理効果〜脳は勝手に妄想をつくり出す〜

◯◯効果などの用語がたくさん出てくる章です。
それらをこの章で解説してます。
それらの1部紹介します。

●バンドワゴン効果

書籍の帯に、「たちまち増刷!」「10万部突破!」なんて書いてあったりすると、なんとなく目について、時には、手にとってしまったりしませんか?また、家電量販店に行って、店員に「この製品が最近流行っているんですよ」なんて言われると、つい、必要もないのに買ってしまって、奥さまに怒られてしまったり……。

脳はどこまでコントロールできるか?P108

バンドワゴン効果とは、みんなが支持してる、売れてるって理由だけで良いものと判断してしまうこと。
これとは逆のスノッブ効果もあります。
多数派を嫌い、マイナー、少数派を支持する行為それがスノッブ効果です。

●サンクコスト効果(コンコルド効果)

サンクコストとは、「埋没費用」のこと。英語で書くとsunk costですね。埋没、というのは、文字どおり、何らかの行為に投資した資金のうち、その行為を中止したり、コミットメントを縮小したりしたとしても、絶対に回収できない費用のことを指す用語です。

脳はどこまでコントロールできるか?p117

これだけデート代を払ったのだから、この女性と結婚しなければ元がとれない……。ずっと我慢してきたのだから、ここで離婚したら、これまでの我慢が水の泡になってしまう……。

脳はどこまでコントロールできるか?P119

●ハロー効果

たとえば、「ブラジルでサッカーをやっていた」と聞いただけで、その人のことを、ものすごくサッカーがうまい人なんだと思ってしまいませんか?実際にプレーを見たこともないのに。

脳はどこまでコントロールできるか?P129

昔の職場にブラジル人が多くいましたが、
「ブラジル人 = サッカー好き。。ってのはちょっと迷惑」
と言ってる奴がいました。
そのブラジル人はサッカーを見ないし、好きでもないとのこと。
僕の主観ですが、よっぽど日本人のほうがサッカー好きです。

ここで紹介した◯◯効果については行動経済学の書籍などにもよく登場します。
もっと詳しく知りたい方は行動経済学系の書籍を買うと知識が深まるかもしれません。

上記で紹介した以外にも

  • ロス効果
  • ゲイン効果
  • ラベリング効果
  • ウィンザー効果
  • プラシーボ効果
  • ノーシーボ効果
  • バーナム効果

などなど、脳科学、心理学、行動経済学的な観点から解説してます。

4章 男女で違う脳の働き〜刺激を求める男性脳・不安を感じやすい女性脳〜

この章では男女の脳の違いを解説してます。

  • 女性は男性の2倍うつになる人が多い
  • 女性と男性のストレス解消法は違う。女性はヤケ食い傾向、男性はヤケ酒傾向
  • 女性の脳を機能的に見ると男性よい不安になりやすい
  • 男性の脳と女性の脳は生理学的に違う、ドーパミンの放出量が違う
  • 女性より男性の方が覚醒剤中毒者が多い。この理由のひとつがドーパミンの放出量が男性の方が多いことが挙げられる。ドーパミンの放出量が多いとそれだけ快感が強い

男女差だけでなく、国や環境によっても脳が違うとのこと。

【脳はどこまでコントロールできるか?】のまとめ

【脳はどこまでコントロールできるか?】ってタイトルですが、脳のコントロール法より脳が騙される原理、理由などを説明してくれる書籍です。
どうやってコントロールするのかにはあまり触れてないような気がします。

人間の脳はどういうときにどういう判断をするのか??
それらの基本を学べるので、そういう状況になったときに
「これはサンクコスト効果じゃないか??」
などと思考できると、より正しい判断をする材料になるかもしれません。
まず、何かを知ることが重要だと思います。
この書籍はその何かを知ることができます。

ただ、近年は、なかなか恋のときめきを感じない若い人も増えていると聞きます。冷静すぎる人たちは、恋のときめきを感じる前に、「理性的」な判断をするため、「種の保存優先」でなく「個体優先」の行動をとる個体が多いのでしょう。その判断のほうが、個体の生存のためには有利だからです。
〜中略〜
こう考えると、少子化とは、もしかしたら理性をつかさどる脳が発達しすぎたからこそ起きた、ある意味必然の流れなのかもしれません。

脳はどこまでコントロールできるか?P178

「ん?俺のこと?」
そんな風に思いました。
「俺は種の保存より個体を優先してる個体なんだな。。」
とか思いながら読み進めました。


『今』やってること、明日の自分はそのことを誇らしく思うだろうか?
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