【ロジカル・シンキング入門】は茂木 秀昭さんの著書です。
茂木秀昭さんはロジカルシンキング系、ディベート系の書籍を多く出版されている方です。
2004年発売と少し古い書籍なのでカルロスゴーンとか出てきたり、ちょっと例えが古いです。
【ロジカル・シンキング入門】の内容
1章から5章まであります。
その前後にプロローグ、まえがき、あとがきとあります。
1章 ロジックの壁を突破する
まずは、1章の見出しにもなっている【ロジックの壁】の定義からはじまります。
ここでいうロジックの壁とは、論理的になれない障壁という意味で用いることにします。ロジック(論理)とは、「思考を整理したり、話や文章を筋道立てること」とすると、難しいことをわかりやすくするためのものがロジックであり、決してやさしいことを難しく言うためのものではありません。
ロジカル・シンキング入門P20
まずはロジックの壁があることを認識することからはじまります。
ロジックの壁を作ってしまっている人はこんな人たちです。
- 自分の立場からしかものを見ない
- 合理的な見方をしない
- 確固とした自分の意見を持てない
- 他人の意見を聞き入れない
ロジックの壁を壊すにはこれらの逆の行動をとればよいことになります。
逆の行動をとるためには
- 客観的にものを見る
- 感情的にならない
- 問題を両面から、複眼的に見る
- 結論を先に述べ、合理的な根拠で具体化する
- 異見の中に良い部分を見出し活かしていく
客観的にものを見れるようになれば感情的にならずに済みます。
感情的にならなければ客観的にものが見れるようになります。
ディベート的な発想を持つことでロジックの壁を崩すことができます。
本来ディベートの趣旨はルールに基づいて議論を建設的に発展させるもので、決して人を攻撃したり、対人関係を悪くするものではないということをひとたび了解すると、論理的に議論が噛み合うことの快感を覚えるということも珍しくありません。
ロジカル・シンキング入門P29
人格と議論を切り離し、「人にはやさしく、議論には厳しく」することで、感情的にならずに紳士的に意見交換することは可能です。
ロジカル・シンキング入門P30
- クリティカルシンキング
- ディベート
- 三角ロジック
- 帰納法
- 演繹法
などのロジカルシンキングではおなじみの用語についても解説されています。
2章 問題解決に活かすロジカル・シンキング
問題解決にはクリティカルなものの見方が必要とのこと。
ここであらためてクリティカル・シンキングを説明すると、「あらゆることに疑問を投げかけたり、仮説を打ち立てたりして、客観的な根拠をもとに、その合理性を検証していくこと」で、これはビジネスのみならず、学問や研究、ひいては日常生活の様々な場面でも有用となるものです。
ロジカル・シンキング入門P56
クリティカルなものの見かたをする上で重要なポイントは以下の通り
- 徹底的な情報収集
- 問題領域の設定
- 問題の本質と周辺的要因の区別
これらの事柄について日産がどう動いたか、カルロスゴーンがどう考えたかを参考に詳しく解説されています。
3章 意思決定に活用するロジカル・シンキング
外国人から見た日本人の弱点に
- 意思決定のシステムがはっきりしていない
- ユニークな意見を否定する
- 意思決定に時間がかかる
などがあげられるそうです。
これらを回避するのにディベート的思考が役立ちます。
カルロスゴーンはこう述べています。
「日本では一旦決断が下されるとそれ以上議論が起こらない」
「フランスでは決断が下されたときから議論が始まる」
4章 説得力を高めるロジカル・シンキング
三角ロジックをつかったプレゼンテーションの方法が解説されています。
会社内での企画書・報告書の作成方法、立案方法、会議での意見のまとめ方など具体例を添えて紹介されています。
社会人にとっては理解しやすい章で明日からでも使えることがたくさんあります。
5章 日常で鍛えるロジカル・シンキング
普通の社会人にロジカルシンキングを鍛えるのに時間を儲けるのは難しいので、普段の生活に意識的に訓練を取り入れることを推奨されています。
新聞やニュースの見かたを意識することで訓練できます。
賛否両論あると思いますが、この書籍では、新聞やニュースを見る前に何を知るために見るのか意識することが重要と述べています。
問題や主張の本質を捉えることができるようになります。
例えば
「食料自給率が◯%低下した」
とニュースがあったら【食料自給率が◯%低下】について考える前に、そもそもなぜ【食料自給率が◯%低下】がニュースになっているのかを考えます。
そのあとに
「食料自給率が低下するとどうなるのか?」
「食料自給率を上げるためにはどうしたら良いか?」
などを思考します。
また、仮説を立てることも重要です。
あくまで仮説なので間違っていても良いのでクリティカルな視点で物事を捉えましょう。
報道などを鵜呑みにすることは危険です。
【ロジカル・シンキング入門】のまとめ
【ロジカル・シンキング入門】はロジカルシンキングをする上で使える思考法(ディベート、クリティカルシンキング)を具体的に解説してくれる書籍です。
例なども多く使われていてわかりやすい。